いつか。

おまけ 続編


高校を卒業して4年目の春。

眞美は大学4年生になり、就職活動を行っていた。

今日は、とある企業の説明会に出席するため、スーツを着て向かう。



高校の卒業式の日から、卓球部員とは一切会っていない。今流行りのSNSで、皆がそれぞれの学生生活を送っているのをちょっと見かける程度だった。


そんな自分ももう、就職活動をしている。時が流れるのは、早すぎる。眞美はヒールで、コツコツと歩きながらふと感じていた。



会場へ着き、およそ30人分の席が並べられた部屋へ入る。

まさかの1番前のセンターだった。なんて運が悪いんだろう。眞美は、心の中でうんざりする。



説明会開始となる3分前。隣の隣の席にマスクをした学生がやってきた。チラッと見ると、目が悪い眞美でも分かるくらい二重の大きな目をしている男子だった。

あんなに可愛い男子がこんなところにいるのか、と眞美はふと見つめてしまう。


その男子が、眞美の方を向いた。

目が合う前に眞美は前を向く。


そこで違和感を覚えた。


もう1度はっきり見てみる。

ヒラヒラと小さく手を振られた。

高校時代の卓球部員の1人だと気づく。




もう会わないものだと思っていたのに。

そんな心のソワソワもつかの間、説明会が始まった。

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