キミの名前を呼びたい。
「そうなんだ、僕もたまに辞書とか借りに来るんだよね」
笹川くんの手には分厚い辞書がある。
「ここは人が来ないから静かでいいよね。
もしかして、霜野が部活終わるの待ってる?」
待ってる…という訳ではないけどそれに近いかな?
コクコクっとまた頷く。
「もうすぐ朝練終わるんじゃないかな、もし良かったら一緒に教室行く?」
断るのも申し訳と思い、一緒に行くことにした。
「そう言えば葉山さんと話すのは初めてだね。
いや…話してるのは僕だけか。」
梓ちゃんも委員長をやっているから、名前だけは知っていた
「霜野が葉山さんは本当は凄く優しくて可愛いんだーって言ってたからどんな人なのか気になってたんだよね。」