キミの名前を呼びたい。


男子が1番早く走り終わったのは如月くんだった。


「如月くんかっこいいー!」


なんて、女子が大騒ぎしている。


如月くんと一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされてしまった


やっぱり、まだ怒っているのかもしれない。


もしかしたら、ヘアピン似合ってないのかもしれない。


体育の授業が終わると同時にヘアピンとヘアゴムを外し、制服のポケットにしまった。


「あれ、ヘアピン外しちゃったの?似合ってたのに」


梓ちゃんに言われるけど、私は首を横に振る。


『私には勿体ない』


「そんなことないのに…」


付けるのは、如月くんにちゃんと謝ってからの方がいいよね…。


お礼も伝えられていないし。
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