キミの名前を呼びたい。


如月くんと話すチャンスなんて訪れぬまま、持久走当日となってしまった。


うぅ……お腹痛い。


神様は意地悪かもしれない。


こんな日に限って、女の子の日が来てしまった。


私は特に重くて薬飲んでも効くまでに時間がかかる。


「椛、やっぱり保健室で休んでた方がいいって」


私は首を横に振った。


この持久走は走らないと単位に大きく影響するって、先生が言ってた。


「椛この持久走出なくたって普段しっかり出てるから単位落とす心配なんかないよ」


それでも…出なきゃと思った。


笹川くんへの、返事もしなくちゃいけないから。




男女共に一斉に正門からスタートする。


梓ちゃんは部活の顧問に陸上部は10人以内に戻ってこいと言われてるため、最前列に並んでいる。

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