キミの名前を呼びたい。


「よーい、スタート!」


先生の声とともにスタートした。


みんな一斉に走り出す。


私もまだ薬が効かずお腹が痛いけど、小走りで走る。


「葉山さん」


真城さんが隣に来た。


「その、今までごめんね。文化祭の時助けてくれてありがとう。ヘアピン似合ってるよ!」


そう言って私に手を振り、先へと進んだ。


付けないつもりでいたのにお腹が痛くてうずくまっている間に梓ちゃんにポニーテールに結ばれ、ヘアピンを付けられた。




小走りで走っていたけど、さっきよりも腹痛が悪化し私は歩いていた。


さっきまで私を追い抜く人が数人居たけれど、もう誰も来ない。


きっと私が1番最後に違いない。
< 65 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop