冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
雑念に耐えながら、懸命に手を動かした。
それにしても、彼の肩は凄く凝っていて力一杯手を動かしてもなかなかほぐれない。
「もういいよ、手が疲れるだろ?」
「ううん、もうちょっとだけ」
そう言って頑張って続けていたら、彼は前を向いたまま振り返らずにしみじみ言った。
「こんなことまでしてもらって悪いな」
「ううん、いいの」
「花って俺なんかのどこがいいの?」
どこって、全部に決まってるよ。
「え?どうしていきなりそんなこと聞くの?」
「いやだって毎日10分しか会えないのに……」
彼は前を向いて顔を見せてくれないから今どんな顔をしているのかわからない。
ちょっと意外だった。
毎日10分しか会えないことを一応は悪いなと思ってくれてるんだ。
それにしても、彼の肩は凄く凝っていて力一杯手を動かしてもなかなかほぐれない。
「もういいよ、手が疲れるだろ?」
「ううん、もうちょっとだけ」
そう言って頑張って続けていたら、彼は前を向いたまま振り返らずにしみじみ言った。
「こんなことまでしてもらって悪いな」
「ううん、いいの」
「花って俺なんかのどこがいいの?」
どこって、全部に決まってるよ。
「え?どうしていきなりそんなこと聞くの?」
「いやだって毎日10分しか会えないのに……」
彼は前を向いて顔を見せてくれないから今どんな顔をしているのかわからない。
ちょっと意外だった。
毎日10分しか会えないことを一応は悪いなと思ってくれてるんだ。