冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

「だっておまえあんな態度とったら、普通怒るんじゃねーの？」


「別に花は怒ってなんかないよ」


これはつい先日セレブ校舎の方でばったり彼女に会った時のことを言っているみたいだ。


「ってか、俺怒らせるようなこと何にもしてないだろ」


さも俺が悪いみたいに言われるんだが、何が悪いのかどうにも思い当たらない。


「うそだろ。気が付いてないのかよ」


大袈裟に驚く伊達。


「俺のどこが悪かったんだよ？」


もったいぶった言い方にイラっときて渋々尋ねる。


「全部だよ全部。うわー千景ってほんと女心が分かってないんだな」


「女心って……。そんなの俺にわかるわけないだろ。
けど、花は毎日機嫌いいし心配することないとおもうけど」


彼女と付き合い始めてはや３週間足らずが経つのか。


伊達には不思議がられるけど、俺は結構こんなことを想っていた。