冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

慌てて顔を上げたら、さっき雨城くんの周りにいた女子達数名が私の前に仁王立ちしてたっている。


凄い怖い顔で睨まれているんですけど。


その顔には見覚えがあって、おそらく彼と同じクラスの女子達だ。


どうして？だって転ばされたのは私の方なのに。


私、なにか怒られるようなことしたっけ。


「あの、どうしたんですか？」


恐る恐る尋ねた。


「千景くんがあんたのとこの担任に連れて行かれちゃったじゃないの」


「ええっ、河井先生に？どうして？」


「そんなの、お嬢様のせいに決まってるじゃない。これでもう3回目だよ」


凄い剣幕でまくしたてられた。


「へ？3回目？」


え、なになに、なんのこと？

状況がまったく呑み込めない。


「だから、よくわかんないけど、あんたのせいで千景くんが生徒指導室に連れて行かれて厳重注意されちゃうんだからね」


「え？え？私のせいで？」