冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
ちえりちゃんはまだまだ何か突っ込みたそうだけど、一旦呑み込んでくれたようだ。


「まあ、花が幸せそうで何よりだわ」


「エヘヘありがと、ちえりちゃんのおかげだよ」


「花が頑張ったからだよ。まだまだこれからもガンガンいっちゃいなよ。次はキスかハグもいいんじゃない?」


「えーいいのかな?いいのかな?恥ずかしいよう」


などと言いつつ、一瞬想像してしまって身体中が熱くなった。


始めは話すだけで充分だったはずなのに、私ったらいつの間にか、どんどん欲張りになってきている。


恋バナに花を咲かせていたら、ポンッと背後から肩を叩かれた。


「花、楽しそうだね。10分男とうまくいってるんだ?」


振り返ったら、暗い顔の拓海くんにジトっとした目で見つめられている。
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