冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
千景くんの自宅へ

俺の家族 side千景

(side千景)


「明日、千景くんのおうちに行ってもいい?」


日曜日の昼さがり、甘えるような花の声が鼓膜をくすぐる。


「え?電話じゃダメか?」


俺は通話をしながら、家族の洗濯物をたたんでいた。


洗濯物は8人分たっぷりの分量がありなかなか終わらない。


この後も飯の支度やら掃除やら家事をこなさなきゃいけない。


日曜日も、両親は仕事で家にいないから俺は大忙しだ。


こんな日は少しでも両親の負担を減らしてやれるように出来る限り家のことを手伝わなきゃいけない。


夕方からはバイト、帰ってきたら夜中まで勉強。


分刻みであれこれ予定を立てていた。


「だって3連休だもん。こんなに長い間、会えなかったら寂しいよう」


「そっか、そういうもんなのか……」


「え?」


「いやなんでもない」

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