冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。
俺の彼女、鷹月花はとても素直で飾らない性格だ。


というのも彼女は金持ちのお嬢様で、かなり抜けてるというかおっとりしている。


対する俺は、毎日せかせかと時間に追われ余裕のない男だ。


１日１０分しか会えない関係がもう１か月にはなろうとしていた。


彼女はこんな男のどこがいいんだろう。


はじめはすぐに俺のことなんて飽きるだろうと鷹をくくっていた。


なにせ１日１０分しか会えないなんて言う冷たい男なんだから。


だけど、彼女の気持ちはしぼむ気配がない。


どうしてだろう。


なんだかんだ言って女は、マメな男がいいんだろうなと思ってたんだが。


学校がない日はこうして花と１０分間電話で話すことにしている。


彼女のおっとりとした声を聞いていたら気が抜けて眠くなってくる。


「会いたいな」


「……」
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