冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
今年受験の中三の次男、直樹。


ちょっと神経質で繊細な性格。顔は似てるけど、中学時代の俺よりも痩せてるもやしっ子。


地味な黒縁メガネをかけていて、典型的な優等生タイプ。


バタバタバタ。


騒がしく階段を下りてくる音がして、我先にと争うように近づいてくる3人の妹たち。


「チー兄、あそぼ」


「お腹すいた」


「おやつつくって」


「こら、上に乗るな。重いだろ」


3人そろって同じ顔。


兄貴の俺でも時々見分けがつかないくらいに似ている三つ子。


早速3人で俺の背中にまとわりついてきた。


女3人もいると甘えるなんて生易しいものじゃない。


俺が家にいるときはこうして俺の取り合いをして、ベッタリくっつき離れてくれない時がしばしばある。
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