冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

振り向いたら、開いたドアから中学生くらいの男の子二人が興味津々に、こっちを覗いている。


「きゃっ……」


飛び上がりそうなくらいびっくりしたし、とにかく恥ずかしくて千景くんから慌てて離れた。


一体いつからこんな風に見られていたんだろう。


そう言えばドアを閉めた覚えがない。


ひー、今すぐこの場から消えたい。


「花、悪い。こいつら俺の弟。メガネの方が直樹、茶髪が達樹」


「なんだよ、雑な自己紹介だな」


茶髪でちょっとやんちゃそうな達樹くんが嫌味そうににやにや笑っている。


「こんにちは。次男の直樹です。いつも兄がお世話になってます」


対してもう一人の弟さんはいかにも真面目そうなメガネをかけていて短髪のスッキリした髪型。


礼儀正しく一礼してくれたので、慌てて挨拶した。