冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
まるで、俺が怒っていることを喜んでるような彼女。


「大丈夫だよ。拓海くんなら枕で叩いて部屋から追い出したから」


「そうなのか?ならいいけど」


それを早く言えよ。こっちは血圧が上がって大変だったんだからな。


それにしても、あの拓海って野郎。


クソッ、今度会ったら覚えとけよ。


「花、気を付けないとダメだろ。いくら親戚でも年頃の男を部屋には入れないほうがいい」


電話だと花の様子がいまいちわからないので、念のためしつこく注意した。


「うん、でも大丈夫だよ。拓海くんはほんとに友達だから」


「……でもさ」


彼女の呑気な反応が少し不満に感じてしまう。


「千景くん、どうしたの?」
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