冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

どうしよう、私のこと嫌いになっちゃったのかな、ねえどうしたらいいと思う？」


目をウルウルさせながら、訴えてみるけど彼女の反応は冷ややかで。


「いっそ、この機会に別れちゃえば？
付き合って１か月もたつのに、未だに１日１０分しか会えないなんて言ってるような男なんて花にはふさわしくないよ」


「ち、違うよ、千景くんはね勉強だけじゃなくて、妹さん達の面倒を見たりして忙しいの。
ほんとは付き合ってる時間なんてないはずなのに私との交際をオッケーしてくれたんだから」


「ふうん、そんなこと言ってただ時間の使い方が下手なだけじゃないの」


ちえりちゃんは意地悪な笑みを浮かべる。


「そんなことないよ。昨日なんて会うだけじゃなくてその後に電話もくれたんだもん。
私のこともちゃんと考えてくれてるんだと思うの」