冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。
こういうやりとりは、これまでも何十回も繰り返ししてる。


ちえりちゃんからしてみたら、私って千景くんのいい様にされてるお人好しみたいに見えるみたい。


本当は私と彼のことは、他の人から見たらあんまり理解しにくいものだってわかってる。


だけど、親友のちえりちゃんにだけはわかってほしいなって気持ちがあって、諦めずに何度も彼の話をしてる。


「千景くんから電話があったときにたまたま拓海くんが部屋に来てたから。
それでちょっと怒らせちゃったみたいなんだ」


昨夜私ったら彼が嫉妬してくれてるような気がしてついつい舞い上がってしまって。


だって、すっごく嬉しかったんだもん。


彼が私のことを彼女として大切に思ってくれてるかもしれないって思ったら幸せでなんにも考えられなくなった。
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