冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
可愛い三つ子ちゃん達と受験を控えた真面目そうな次男と、やんちゃそうな三男。


昨日、千景くんの家族に会ってますます確信したんだ。


心から彼を慕って必要としている人達がいることを。


「私はこのままでいいの」


「やせ我慢しちゃって」


「し、してないもん」


「だって末っ子で誰より甘えん坊な花があーんな冷たい人と付き合っても、この先上手くいくかわからないじゃん」


ますます熱を込めて説得してくるちえりちゃん。


今日はなんだかいつもよりも何倍も彼に対して辛辣。


「甘えん坊って……」


ちえりちゃんからしたら私ってそんな風に見えるんだ。


まあ完全に否定できないところが悲しいんだけどね。


確かに末っ子の私は家族からたっぷりと甘やかされて育ってきたかも。


「私は花にはもっとマメで余裕のある人が合うと思うんだけどな」


「それってまさか拓海くん?」
< 200 / 351 >

この作品をシェア

pagetop