冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

何も怖くない。


ただ、千景くんが私の隣から永遠にいなくなってしまうことだけが、心の底から怖いだけ。


そんなことないって頭では思っているのに、幸せを感じれば感じるほど恐怖は膨れ上がっていく。


恋ってこんなに不安なものなんだって知らなかった。


それはたぶん、私が彼の彼女として全然自信がないからなんだろうな。


彼は超イケメンで勉強もスポーツも完璧、その上家族思いで優しくて常に努力を惜しまない人。


それに比べて私は……？


このままでいいのかな。


今の私のままで、彼の隣にいられるんだろうか。


それにも増して心配なことは、やっぱり先生に注意されたこと。