冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
花と付き合わなければ、今頃どうしていたんだろう。


しかし、今となっては。


もうあの時の自分には戻れないし、戻りたいとも思わなかった。


俺はたぶん彼女に恋をしているんだろうな。


自覚した途端に会えなくなるなんて、どういう拷問だよ。


両思いだってわかっているのに、手放しで安心することができない。


早く元通りの生活に戻って、毎日彼女の顔が見たい。


体育祭が終わって花に時間の余裕が出来たら、彼女との関係をもう一歩すすめたい。


気がつけばそんなことばかり考えていた。


この日は結局勉強ははかどらなかった。


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