冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
いつものクールな印象とは打って変わって情熱的に告白してくれる彼。


『千景くん』


そして熱いハグをしたりして。
それから彼はこんなことを言ってくれるかもしれない。


『花、結婚しよう今すぐに。卒業までとても待てないよ』


『はい、千景くんあなたのお嫁さんにしてください』


きゃー、そんなことになっちゃたりして。どうしよー。


待てよ、こんなにうまく話が進むわけないよね。あの千景くんのことだもの。


『だけど花、結婚しても1日10分しか夫婦生活はおくれないよ。だって俺の時間はとても貴重なんだ』


えー。そんなあ。せっかく、夫婦になれたのにまだ10分ルールは継続するなんて。


ううん、でもそんなクールな彼も素敵。


『でも、夜は一緒に眠ってくれるよね?』


『ああ、勿論だよ花、おいで』


キャー、それならいいよ。うんうん。夜は寝ないで朝まで、彼にくっついていようかな……って。
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