冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。
どうやら、こいつの頭の中では俺はもう花に振られているということらしい。


「……」


しかし返す言葉も見つからない。


そんなことないって言えるほどの根拠がない。


結局俺は花のことを、それほど深く知っているわけじゃない。


会わない時間が過ぎていくほど、彼女の気持ちが見えなくなってきた。


ただひとつだけわかったことがある。


付き合っている恋人に忙しそうにされていると、非常に寂しいってこと。


こっちをまともに向いてくれていないような気がして、遠慮もしてしまうしせつなくなる。


相手に期待すればするほど苦しい。


これまで俺は花にこんな思いをさせてきたんだなって改めてわかった。


だからこそ、今度花に会うまでに俺はいろいろと考えなくちゃいけない。
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