冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
もしかして俺ってガツガツして見えて気持ちが悪かったんだろうか。


確かに久しぶりに花に会って、嬉しくてつい馴れ馴れしく近寄りすぎたかもしれないけど。


あんな嫌そうにしなくてもいいのに。


さっきは彼女の後ろにはあの拓海って奴がいて、俺のことを睨んでいたっけ。


最近の花はいつもあいつと一緒にいるよな。


いや、あいつも委員の1人みたいだし仕方ないのかもしれないけど。


「きゃっ、ありがとうございますー」


最後の子と握手し終わると、逃げるようにまたサッサと歩きだした。


「なにやらせるんだよ」


すかさず伊達に文句を言った。


「えー、いいじゃん。今日くらい無礼講にしろよ」


なにが無礼講だ。あんなのにいちいち構ってたらキリがないんだからな。


それにしても、体育祭のノリというか独特の高揚感もあいまって俺は朝から女子達に囲まれてはいいようにされている。
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