冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
そんな健気で優しい花に俺は頭が上がらない。
 

結局、俺たちの出した結論は……。


「前にもちゃんと話したよね。
千景くんの時間は2人のものだからって。
話し合ってその都度決めて行こう。」


この件については何度も彼女と話した。


俺の時間の使い道は、2人で話し合って無理の無いように決めようってことになった。


俺の時間は自分1人のものじゃなくて、花のものでもある。


「うん、わかった。花の言うとおりにするよ。でもさ、今日じゃなくてもいいからまたうちに来ない?たまにはいいだろ?」


「うーん、でも期末試験が。千景くんが万が一にでも成績を落としたら嫌だもん」


体育祭が終わったら期末試験に向けての準備をそろそろしないといけなかった。


「だったら、一緒に俺んちで勉強しよう。それなら花も数学の成績が上がるし一石二鳥だから」


俺の必死さがばれないようになるべく爽やかに笑いかけた。


誰にも邪魔されず彼女と2人きりの時間をゆっくりと堪能したかった。


「そうだね、久しぶりに美月ちゃん達にも会いたいしそうしよっかな」


花は無邪気に笑う。


「妹たちも喜ぶよ」
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