冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
「やだー、ちえりちゃんたら」


2人でけらけら笑っていたら、ちえりちゃんの彼氏の大原くんが眉間にしわを寄せてやってきた。


「おい、なんやねんそれ。またそんなん言うて。ちえりんと俺はいまでも熱い仲やで」


大原くんは小学校までは関西に住んでいたらしく、バリバリの関西弁。


自称、大阪商人の息子らしい。


顔はいたって普通なんだけどちゃっかりこんな美人のちえりちゃんを落としてしまったのは彼に人間的魅力があるからかも。


なんていうか、面白くて優しいらしいし、なによりちえりちゃんにベタぼれしてるみたいなんだよね。


「もう、大原くん、恥ずかしいでしょ。女子トークに入ってこないでよね」


「いいやん。なになに楽しそうな話してたやん?俺も混ぜて」


人懐っこそうな笑顔を浮かべてちえりちゃんの隣に座る大原くん。

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