冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
彼と交際しています

彼女からの質問 side千景

(side千景)


「悪い、少し遅くなったな」


昼休みに待ち合わせ場所の中庭に着くと花は先に来て待っていた。


待ち合わせ時間きっかりに着くように急いで移動してるけど、いつも彼女の方が早い。


ここは総合セレブリティコースの校舎の敷地内にある広々とした中庭。


白くてお洒落なベンチがいくつも置いてあり、しかも日差し避けまである。


他のベンチでも何組かカップルが座っていて、仲睦まじそうにしている。


白い上着を着ているのでセレブコース同士のカップルばかりで、俺たちみたいな学科の違う男女はいない。


俺が来ると一瞬ジロジロ見られるんだが、なんだよ?って感じで軽く睨むと誰も目線を合わせようとしない。


そいつらはまたすぐに、自分達の世界に入ってイチャつき始める。


毎日だいたい昼休みの時間に弁当を食べ終わってからここで花と10分間だけ会っていた。

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