冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
ああ、そんな感じだよなって納得する。


彼女はいかにも恵まれたお嬢様って感じで、素直で天真爛漫なんだ。


心の中で思ってることも、そのまま口に出してしまうみたいな。


まさにウラオモテのない性格。


人を疑うことなんて、思いもよらないんだろうな。


だから俺の出した付き合う条件にも文句も言わずにオッケーしてしまったんだろうか。


普通の女子なら怒るんじゃないか?


変わってるよな。


「あ、あのね今日もまた質問してもいい?」


「……いいけど。答えられないことはパスするけど」


「うん。それでもいいよ」


隣に座っている彼女は心持ち近づいてきて上目遣いにじいっと見つめてくる。


彼女と付き合う時に、毎日10分会うだけって約束をした。
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