冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
なんだかいい人みたい。


だって私と雨城くんのことを心配してくれてるみたいなんだもん。


ってやっぱり、1日10分ってそんなにおかしなことなのかな。


そんなお付き合いのルールなんてやっぱり珍しいよね。


呑気にそんなことを思っていたら横からツンツンされる。


「あ、ちえりちゃん」


「花、私にも花の彼氏を紹介してよ」


さっきから様子をうかがっていたちえりちゃんがしびれを切らしたように言ってきた。


「う、うん」


彼氏って言葉に胸がドキドキしてしまう。


そうそうまだ信じられないし、全然カップルって空気は流れていないけど雨城くんは私の彼氏なんだもんね。
(注:1日10分だけだけど)


「雨城くん、私の親友のちえりちゃんです」

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