冷たい千景くんは１０分だけ私の言いなり。

ちょっと緊張しつつ友達に彼氏を紹介した。


「雨城くん、よろしく」


ちえりちゃんは綺麗な笑顔で挨拶してくれた。


これに対して雨城くんも淡々と返事をする。


「よろしく、雨城です」


よかった、雨城くはいつもの無表情で、ちえりちゃんに対しても特に興味を示す風でもなくて。


ちえりちゃんは美人だから、一瞬不安に思ってしまって。


彼が少しでも顔色を変えたらどうしようって。


私って重症かも……。こんなことで不安になる自分が、さすがにちょっと恥ずかしい。


「私もそちらのお友達と同じ意見なんだけど。雨城くん、1日10分ってどういうことですか？」


ちえりちゃんは、何を思ったのかそう言って、キッと雨城くんを睨みつける。


「聞いたまんまの意味だけど」


ムスッとしながら答える雨城くん。


ええ、どうしちゃったの？ちえりちゃん。