冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
ちえりちゃんの様子に気がついて焦って仲裁に入ろうとしてくれた。


「おいどうしたんや?ちえりん。揉め事か?」


「大原くんは黙ってて」


「えーでも喧嘩はあかんで。
あれ、あんたイケメンの雨城くんやんけ」


大原くんに話しかけられてうんざり顔の雨城くん。


「そうだけど、なんか用?」


面倒くさそうに眉間にしわを寄せるから私の方がオロオロしてしまう。


「おい、千景、大丈夫か?修羅場だな。身から出た錆か、クッ、いい気味」


伊達くんは、雨城くんの隣でニヤニヤ意地悪な笑みを浮かべる始末。


「千景くーん、早く移動しないと遅れちゃうよ。もう行こう」


そこに雨城くんのクラスの女子達が横やりを入れるように声をかけてきた。


だけど、背後になんだかイヤーな予感がして振り返ったらそこには拓海くんが怖い顔で立っていて。


さ、最悪。

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