サザンカトラブル
どうやら彼はもはや頭がおかしいの領域に収まらないらしい。


小学の時はほとんど学校に通えなかった。


体調を崩しやすかったりと、入院が多かったのだ。


何かと入院。ひたすら入院。


退院したと思ったら、その二週間後には入院、だなんてのは日常茶飯事。


行けたとしても保健室で一日を過ごす。


滅多に児童とは会わなかった。



「あのとき、保健室に先生がいなくて、キミだけがいた。

怪我手当したの、覚えてない?」



声を大にして、一言言わせて欲しい。


知 ら ね ぇ よ 。


6年間の小学校生活で何人手当したと思っているのだ。


保健の先生よりも保健室に詳しかったんだぞ、私は。



「俺、難波 輝(なんば ひかる)」


「......初めて聞いた」



誰やねん、お前...と、私は本人に言いたい。


小中高大と、彼の名は聞いたこともない。


それは私が他人に興味がなかったというのもある。


でも彼の影が薄いというのもあったのではないだろうか。


...だって多分、彼は私を想っているのだろう?


ならば少しは、私の視界に入ろうとするはずだ。
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