いつか咲う恋になれ
「あのさ紗倉ちゃん、ちょっといいかな?」
学校に戻ると私達は生徒会室に戻らず、そのまま中庭に行った。周りには誰もいない。
イチョウの木から黄色の葉っぱが落ちてくるのを見て『すっかり秋ですね』と言いながらベンチに座った。
ベンチに座ると何だかそわそわして、お互い前を向いたまま下を向く。この雰囲気って……もしかして告白の返事待ちとか?
「えっと、良い天気だね」
「そ、そうですね」
と空を見上げて会話するものの、もう夕方に差し掛かっている。
早く生徒会室に戻らなきゃいけないけど、今は告白の返事をするチャンスだ。私は手のひらでグーを作り、ギュッと力を入れて小谷先輩の方を向いた。
「あの、告白の返事をしてもいいですか?」
「うん」
小谷先輩は緊張気味の表情で私の方を向く。
「私、小谷先輩の事好きですけど……それは恋愛的なものではなくて、えっと……つまり……小谷先輩とお付き合いできません」
私はごめんなさいと言いながら思いっきり頭を下げる。そしてポケットから小谷先輩から渡されていた鉢巻を取り出しそっと返した。
「……頭を上げてよ紗倉ちゃん。分かったから」
ゆっくり小谷先輩の顔を見ると笑っていた。
「ごめんなさい」
「謝らなくていいから。むしろ俺が謝る方だよ。困らせてごめん」
小谷先輩は頭をペコっと下げる。
学校に戻ると私達は生徒会室に戻らず、そのまま中庭に行った。周りには誰もいない。
イチョウの木から黄色の葉っぱが落ちてくるのを見て『すっかり秋ですね』と言いながらベンチに座った。
ベンチに座ると何だかそわそわして、お互い前を向いたまま下を向く。この雰囲気って……もしかして告白の返事待ちとか?
「えっと、良い天気だね」
「そ、そうですね」
と空を見上げて会話するものの、もう夕方に差し掛かっている。
早く生徒会室に戻らなきゃいけないけど、今は告白の返事をするチャンスだ。私は手のひらでグーを作り、ギュッと力を入れて小谷先輩の方を向いた。
「あの、告白の返事をしてもいいですか?」
「うん」
小谷先輩は緊張気味の表情で私の方を向く。
「私、小谷先輩の事好きですけど……それは恋愛的なものではなくて、えっと……つまり……小谷先輩とお付き合いできません」
私はごめんなさいと言いながら思いっきり頭を下げる。そしてポケットから小谷先輩から渡されていた鉢巻を取り出しそっと返した。
「……頭を上げてよ紗倉ちゃん。分かったから」
ゆっくり小谷先輩の顔を見ると笑っていた。
「ごめんなさい」
「謝らなくていいから。むしろ俺が謝る方だよ。困らせてごめん」
小谷先輩は頭をペコっと下げる。