いつか咲う恋になれ
「長々とつまらない話聞かせてごめん。俺が言いたかったのは恋愛をマイナスに考えても良い事ないよって事」

「全然つまらない話じゃないです。むしろそんな大事な秘密の話を私なんかにして良かったんですか?」

私は森野先輩に秘密にしていた話をさせてしまって申し訳なさそうな表情になった。

「うん、紗倉さんの事は信用してるから。秘密の恋愛ってもっと(つら)いものかと思ってたけど、意外と楽しいねって二人で話してるんだ」

うん。私も真尋先輩との秘密の恋愛ごっこ……楽しかったから少し気持ちが分かる。

「なんか森野先輩の話を聞いてたら、私もまた恋愛したくなりました。頑張って……みようかな」

「その意気その意気」

そして電車が来たので乗り込んだ。そこで森野先輩と別れて私は座席に座り、電車に揺られながらある決心をする。

真尋先輩の受験が終わったら……告白しよう。

そして日曜日、私は一人で買い物をしていた。その帰り、何となく甘いものが食べたくなって偶然通りかかった店に入ろうとした時、後ろから声をかけられる。
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