いつか咲う恋になれ
「着いたよ」

しばらく歩き、着いた先は可愛らしい外装をしたケーキ屋の前だった。

何で香月先輩はココに来たのだろう?確かにケーキは美味しそうだし大好きだけど。

すると、香月先輩は傘を閉じてケーキ屋の入口横にある階段を上がり二階へ行く。

「あの……ここは?」

「俺の家。さっ中に入って」

香月先輩の家って……私入っちゃっていいのかな。

先輩は玄関を開けて私が中に入るのを待っているので、取り敢えずお邪魔させてもらった。

「風邪引くからシャワー浴びて体温めた方がいいね。乾燥機もあるから制服も乾かしちゃって」

「そんな……大丈夫です。そこまで甘える訳にはいきません」

私は首を横に振り大丈夫アピールをするけど、先輩は話を聞いてない。そして部屋から服を持ってきた。

「制服乾くまでこれ着てて。俺の服だから嫌かもしれないけど我慢してね」

浴室に案内され、私にはシャワーを浴びて制服を乾かすしか選択肢がなかった。髪を結んでいるゴムを外し、シャワーと乾燥機を借りる。

そしてドライヤーで髪を乾かして先輩の服を着てみた。

「やっぱりサイズ全然違うなぁ」

流石に先輩の服は大きくて、黒のTシャツもワンピースみたいになった。ハーフパンツも履いてみたが、腰回りが緩すぎて腰の部分を何度も曲げてずり落ちないようにした。
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