いつか咲う恋になれ
「紗倉ちゃんお帰り〜」

クラスに戻り他の女子と休憩を交代して早速仕事をする。私は裏方をする予定だったけど、接客要員が足りないと言われてエプロンをつけて表に出る事になった。

「いらっしゃいませ」

教室に入ってきたのは真尋先輩と宮原先輩、そして確か弓道部主将の壱井先輩だ。

「見回りに来たよ。このクラスは大丈夫そうだな」

腕に巡回中の腕章をつけて教室をキョロキョロ見回す。知らなかったけどこれも生徒会の仕事なのかな。

「すみません。私さっきの休憩中に巡回しませんでした」

「ん?あぁ腕章(これ)?これは生徒会の仕事じゃないから気にしなくていいよ。腕章して仕事のフリしないとすぐに真尋は女子に囲まれちゃうから腕章は女子避けのお守りみたいなものだよ」

宮原先輩は真尋先輩をジトーっと見ながら言う。そして三人は席に着いた。

「あれ、先輩達も来てたんすか?」

次に教室に入ってきたのは女子を三人連れている朝比奈先輩だ。宮原先輩は露骨に嫌そうな顔をする。

「風紀が乱れてないか巡回中だよ。ちなみにお前のクラスのホストクラブみたいなやつはイエローカードだからな」

本気(マジ)っすか。でもあれでイエローカードならこれは一発アウトでしょ」

朝比奈先輩は携帯を取り出しある写真を見せてきた。これは……女装した小谷先輩?

「何だこの写メは?」

「面白いからさっき写メ撮っちゃった。コタのクラスは女装カフェやってますよ」

先輩達は写メを見てドン引きしているみたいだ。そして朝比奈先輩は話すだけ話し女子を引き連れて教室を出て次のクラスに行った。
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