いつか咲う恋になれ
「あれ?偶然だね」

私と優莉がカフェスペースでケーキを食べていると、真尋先輩と宮原先輩が話しかけてきた。

「偶然ですね。先輩達もケーキを?」

「クリスマスだからケーキくらい食べとこうと思って」

『私達と同じですね』と笑いながら話をする。

それから先輩達も一緒のテーブルに座りケーキを食べた。あとは頃合いを見て抜け出したら計画完了なんだけど、タイミングが難しい。

「じゃあ俺はそろそろ帰るから」

先に抜け出したのは真尋先輩だった。鞄を持ちそのまま帰って行った。

私もどう理由をつけて抜け出そうかと考えたけど思いつかない。ここは変に理由つけない方がいいかな。

「私も帰りますね」

「いやいや、俺が帰るから」

宮原先輩が席を立とうとしたので、私の方がパッと先に立ち上がって『メリークリスマス』と言って店を出た。

二人に気を使ったのがバレバレだけど……まぁいいか。

これで計画も終わったし、予定がなくなった私は家に帰ろう。マフラーを巻くと、一人で駅に向かって歩き出した。

駅前に着くと私は『あれ?』と思って一回立ち止まる。何故か真尋先輩の姿があった。

携帯を操作していた真尋先輩は、私に気づくと携帯を制服のポケットに戻して私の元に来た。
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