いつか咲う恋になれ
「無事抜けれたんだ」

「はい。でもどうして真尋先輩が(ここ)に?」

私がキョトンとしていると真尋先輩は顔を近づけ私に目線を合わせる。

「クリスマス、予定空けといてって言ったじゃん」

「えっでもそれって、優莉と宮原先輩の為では……」

真尋先輩はクスッと笑う。私はまだピンときていなかった。

「俺、デートに誘ったつもりだったんだけど」

……デート?あ〜私デートに誘われてたのか。なるほどと思いながら納得の表情をしたのも束の間、すぐに驚きの表情に変わる。

「デートですか!?」

「無理にとは言わないけど」

真尋先輩はどうする?というような笑顔で私の返事を待っている。もちろん私は『お願いします』と力一杯返事した。

「じゃあどこ行こうか?」

まずは特に行き先を決めずに街中を歩いた。まさか真尋先輩と制服デートが出来るなんて思わなかったから、今隣を歩いているだけでドキドキしている。

「あっタピオカ屋があるけど、タピる?」

真尋先輩が指を指した先には最近オープンしたばかりのタピオカ屋さんがあった。

行ってみたいけど、同じ学校の制服を来た生徒がチラホラいる。真尋先輩と一緒に並んだら大騒ぎになりそう。

結局私が並んで、真尋先輩は少し離れたところに待機することにした。
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