いつか咲う恋になれ
「今日はどちらに?」

真尋先輩に尋ねると、何故かじっと私の姿を見てきた。

「いつもと雰囲気違うから何か緊張するな」

「へ、変じゃ……ないですか?」

恐る恐る真尋先輩の顔色を伺う。すると私の頭をポンとしながら微笑んだ。

「凄く可愛いよ。じゃあ行こうか」

私はこっそり頬を赤くさせて真尋先輩の隣を歩く。

近場だとまた知り合いや同じ学校の人に会って落ち着かないので、まずは電車に乗って少し遠い場所に行く事にした。

電車を降りる場所、初めて見る景色……私は楽しみで仕方なかった。

電車を降りて取り敢えず歩き始めた。真尋先輩の少し後ろを歩きながら改めて先輩をじっと見る。

こんなイケてる男子の隣を私みたいなのが歩いて大丈夫かな。分からないように小さくため息をつく。

「ごめん。歩くの早かった?」

真尋先輩はクルッと後ろを振り向き、私が隣に来るのを待った。

「いえ、大丈夫です」

デート中にボーっとしちゃうなんていけない。私は気持ちを切り替えて真尋先輩の隣に並ぶ。

途中、オシャレなカフェを見つけ中に入ってみた。窓側の奥が空いていたのでそこに座る。

メニューも色々あったけど、真尋先輩はカフェ・ラテ、私はチョコレート・ラテを注文した。


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