いつか咲う恋になれ
それから私達は水族館デートを楽しんだ。

「水族館なんて久しぶり過ぎてなんかテンション上がっちゃいます」

薄暗い館内に幻想的な水の世界が広がり、その水の世界を優雅に泳ぐ魚達を私は目をキラキラさせながら眺めた。

「俺も久しぶりだけど、ずっと見てられるね」

真尋先輩は私の隣に並んで同じように大きな水槽を見上げる。

水族館には海・川・湖の生物に分けられたコーナーがあり、一つ一つ見て回ると結構な時間を使う。

それでも初めて見る魚や可愛い生物を見るのが楽しくて、私達はテンション高く館内を回った。

「あ〜楽しかった」

水族館の外に出て両手を空に向かって伸ばす。

「今日、少し帰りが遅くなっても平気?」

「はい、大丈夫ですけど……」

「水族館の近くにイルミネーションが綺麗な場所があるんだ。もう少し暗くなったら見に行こう」

そう言って笑顔を見せる真尋先輩に私は『はい』と笑顔を返した。

それから近くにショッピングモールがあったので、雑貨屋で商品を見たりスイーツを食べたりして時間を潰した。

外を見ると暗くなり始めたので、イルミネーションが綺麗だという大きめの公園に向かう。

この公園では冬の夜限定でイルミネーションが点灯され、人気スポットとなっているらしい。

私は知らなかったけど、真尋先輩は今日のために調べてくれたのかな。
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