いつか咲う恋になれ
「うわぁ……綺麗」

私は白い息を吐きながら輝く光の光景に見惚れていた。

イルミネーションは想像していたよりずっと綺麗に輝いていて、まるで光の上に立っているみたいだ。

冬の期間、いつでもイルミネーションが見れるせいか今日はあまり人は居ない。おかげでゆっくりとイルミネーションを堪能できそうだ。

「ベンチに座ろう」

真尋先輩は私の手を取ってそのままベンチまで歩いた。私とは違う男子の手に繋がれてドキドキが止まらない。

ベンチに座ると、しばらく二人でイルミネーションをじぃっと眺める。

会話どうしよう。私は変に緊張しちゃって頭が真っ白になっていた。

「……綺麗だね」

「そ、そうですね」

イルミネーションを見つめる真尋先輩の横顔を見ながら返事をする。

少し沈黙した後、真尋先輩が私を見て微笑んだ。

「少し……俺の話をしてもいいかな？」

「はい」

急にかしこまった言い方をする真尋先輩に、話の想像が全くつかない私は背筋をピシッと伸ばして話を聞く態勢をとる。

「実はさ、俺の中にある感情があるんだけど……それが何なのかずっと分からないんだ」

「ある感情？」

ある感情って何だろう。私は話の続きを聞く。
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