いつか咲う恋になれ
「今、屋上に来れる？少し話がしたいんだけど」

「話……ですか？」

私は『分かりました』と返事して電話を切った。恐らく優莉の事なんだろうけど、何を聞きたいのだろう。

優莉に用が出来たと言って急いで屋上に向かった。

「廊下は走っちゃダメだよ」

「ご、ごめんなさい」

すれ違い様に注意されて、条件反射的に頭を下げて謝ると、クスクスと笑い声が聞こえる。

この声……ガバッと頭を上げると、真尋先輩がニッコリしていた。その隣には壱井先輩もいる。

「そんなに慌ててどうしたの？」

「あっいえ、ちょっと呼び出され……じゃなくて待ち合わせをしてて」

壱井先輩もいるし、宮原先輩に呼び出されたって言わない方が良さそう。とりあえず作り笑顔で誤魔化した。

「ははーん。その慌てようは男に呼び出されたんでしょ？モテるね〜」

真尋先輩の隣で壱井先輩が私を揶揄(からか)ってくる。

「ちっ違いますよ。えっとじゃあ私はこれで」

二人にペコっと頭を下げて、急いで宮原先輩の待つ屋上に向かった。何か先輩達、私が告白されるとか勘違いしてるみたいだったな。でも宮原先輩の事は話せないし仕方ないか。

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