いつか咲う恋になれ
屋上に続く階段を進むと、屋上のドアの入口の前に宮原先輩が座っていた。私に気づいた宮原先輩は少し寂しそうに微笑んだ。

「呼び出して悪かったね」

「いえ……あの、それで話と言うのは?」

「優……美園さんから何か聞いてる?」

「何も聞いてないです」

宮原先輩は『そう』と呟いて、隣に座ってというような仕草を私にする。私は緊張しながら宮原先輩の隣に座った。

「実はさ、俺……美園さんに告白したんだ。割と自信あったんだけどさ、振られたよ。好きな人がいるってさ」

「そ、そうですか」

私はそれ以上何を言っていいのか分からなかった。

「振られたのはまぁ仕方ない。でもアイツ何か隠してる気がしてさっき聞いてみたけどはぐらかすし、紗倉さんなら知ってるんじゃないかと思ってさ。好きな男の事とか」

「優莉と恋話(こいばな)とかしないので分からないですけど、私は正直……優莉は何となく宮原先輩の事が好きなのかと思ってました」

「はは、そうだったら良かったのにな。それでさ、紗倉さんにお願いがあるんだけど」

宮原先輩はニッコリしながらじぃっと私を見る。

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