いつか咲う恋になれ
「な、何でしょうか?」

「俺のスパイやってよ」

私は想定外の言葉にん?となり、キョトンとしてしまう。

「今……何て言いました?」

「スパイだよ、ス・パ・イ。って言ってもさ、俺を振った本当の理由を探って欲しいんだ」

「わ、私がですか!?」

「紗倉さんにしか頼めないんだ。お願いします」

宮原先輩は手のひらを合わせて必死に私にお願いしてくる。こんなにされたら何か断りにくいよ。私は困った表情をしながら上を見上げた。

その日の夜ーー

「今日はどんな(やつ)に告白されたのかな?」

「だから告白じゃないですって〜」

真尋先輩からの着信に出ると、開口一番に今日の事を聞いてきた。私は否定しながら宮原先輩からスパイ役を頼まれた事を伝える。

「スパイって、また変な事頼まれたね」

「でも優莉の様子も変なんですよね。だからスパイっていうか、優莉の本音を探ってみようかなと。宮原先輩には言える範囲で報告します」

「うん、そうだね」

真尋先輩との会話が終わり携帯を切って私は窓際へ行き、夜空を見上げて思った。

どうしたら優莉は本音を聞かせてくれるかな?

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