いつか咲う恋になれ
「考え過ぎても答えは出ない……か。でも俺は自分のこの感情に自分で答えを出したいんだ」

真尋先輩は至近距離に顔を近づけておでことおでこをコツンとさせる。

「真面目ですね」

「はは、そういう性分なもので。だから答えが出るまで待っててくれる?」

おでこを離し、今度は真尋先輩の優しい目が私の目をじっと見つめて返事を待っている。

「私は……良い返事しか待てません」

「はは、期待してて。ちゃんと自分の気持ちを整理出来たら……今度は俺から告白するよ」

そう言って真尋先輩は小指を立てて私の前に差し出す。私はクスッと笑いながら、差し出された小指に自分の小指を絡めた。

約束……

絡んだ小指が離れると、真尋先輩の顔が近づき……私達はそっとキスをした。

そして思い出す……初めて真尋先輩とキスをしたのも生徒会室だった。

あれから色々あって、色んな想いをして……そしてあっという間に時は過ぎ、真尋先輩は卒業しちゃう。

もっと早く好きって言えてたら……そう思うと私の顔には涙が溢れていた。

「泣かない」

真尋先輩は笑いながら私の髪をクシャッとする。

「もう、真尋先輩が泣かせたんですよ。ちゃんと責任とって下さい」

私はもう一度、座り込んでいる真尋先輩の胸に飛び込む。そんな私を先輩は何も言わずに頭をポンポンしながら受け入れた。
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