いつか咲う恋になれ
失恋の後
昼休み、私は少し悩んでいた。

いつも昼休みは柳と安住ちゃんと一緒に過ごしていたけど、それももう出来ない。

ひとまず安住ちゃんの教室をコソッと覗いてみる。

「居ないなぁ」

仕方ない。自分の教室へ戻ろうとクルッと向きを変える。

「どうしたの？」

私が振り返った先に優莉がいた。そういえば優莉と安住ちゃんは同じクラスだ。

「もしかして安住さん？さっき売店で友達と一緒にいるのを見かけたけど」

「そっかぁ」

「……何かあったの？」

優莉は私の表情から何かを感じとったみたいだ。

「えっと……優莉今からお昼かな？一緒に食べない？」

「いいけど……いつもお昼一緒にいる友達はいいの？」

「うん、大丈夫。何処で食べようか。あっ先に自販機寄ってもいい？」

お昼に食べようと思って持ってきたサンドイッチと一緒に紙パックの苺ミルクを飲みたくて、売店横の自販機に寄った。

「紗倉さんじゃん。何飲むの？」

先に自販機でジュースを買っていた生徒会会長の宮原先輩が私に気づき、声をかけてきた。

「こんにちは。私は苺ミルクですよ。宮原先輩は……あれ？二本飲むんですか？」

宮原先輩は手に二本ジュースを持っている。

「まさか。一本は真尋の分だよ。俺、パシらされてるの。可哀想でしょ」

「……はは」

笑ってはみたものの、どう反応したらいいか分からない。
< 22 / 163 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop