いつか咲う恋になれ
「失礼します」

生徒会室に着き、私はドアをそっと開ける。そして真っ先に目に入ったのは、椅子に座りジュースを飲んでいる香月先輩だ。

「いらっしゃい。敦士にナンパされたんだって？」

私達に気づくと香月先輩はニコッとした。

「ナンパってそんな……お邪魔します」

取り敢えずお昼を食べるために椅子に座り、机の上に持ってきたサンドイッチを置き苺ミルクにストローをさす。

優莉も売店で買ったパンを食べ始めた。

二人で話をしながらお昼を食べていると、宮原先輩が不思議そうに私に話しかけてくる。

「そういえば紗倉さん、昼は彼氏と一緒じゃないんだ？」

突然の質問に、私はドキッとして一瞬動きが止まる。

いつも昼休みは友達と過ごしてるし、何よりも……

「え、えっと……彼氏とは別れました」

苦笑いしながら宮原先輩に返事する。そしてシーンとした気不味い空気が生徒会室に流れてしまう。

「嘘、マジで？ごめん。余計な事言っちゃった」

地雷を踏んでしまったと宮原先輩はあたふたしながら私に謝ってきた。私も気にしないで下さいと焦りながら何故か謝る。

「うわっ」

あたふたしたせいか宮原先輩は持っていたジュースを制服のシャツにこぼしてしまった。

「だ、大丈夫ですか？」

私が声をかけたのと同時に優莉がスッと立ち上がった。そのまま宮原先輩の元へ行き、自分のハンカチを使ってシャツを拭き始める。

「あ、ありがとう……美園さん」

宮原先輩は照れた感じでシャツを拭く優莉を見ていた。

その様子を見ながら香月先輩はクスッと笑い、私の後ろに来る。
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