いつか咲う恋になれ
生徒会と部活を両立させながら部活祭の準備をする日々が続き、あっという間に当日を迎えた。

部活祭の打ち合わせがあるため、いつもより早めに学校に着いたけど、正門にはたくさんの部活勧誘っぽい生徒達がビラ配りを始めている。

「うわぁ、凄い人……」

人で溢れかえっている正門を何とかすり抜けて、ひとまず生徒会室に向かった。

「おはよう」

生徒会室に入ると、椅子に座っている香月先輩が私を見て爽やかな笑顔を見せる。

私も挨拶を返し、香月先輩から少し離れた所に鞄を置き座った。

「正門、凄い人だったでしょ?」

「はい、ビックリしました。他の人達はまだここに来てないんですか?」

「敦士とコタは恐らくあの部活勧誘集団の中にいるはず。他はまだ来てないかな」

香月先輩は窓から正門の方を見て指を差す。あの中に居たんだ……全然気づかなかった。

朝からお疲れ様です、と心の中で呟きながら私も窓から外を眺めた。

「茶道部は何するの?」

窓際から外の様子を眺めていると、香月先輩が私の隣に並んで尋ねてきた。

茶道部(うち)は茶道室でお茶会です。弓道部は何をするんですか?」

弓道部(うち)はデモンストレーションと弓道体験だよ。良かったら遊びに来てね」

私は「はい」と返事をしたものの、香月先輩がいるから多分……女子生徒が殺到するんだろうな。
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