いつか咲う恋になれ
程なくしてみんな生徒会室に集まり打ち合わせを終えた。今度は茶道部の打ち合わせのため、優莉と茶道室へ向かって歩く。

「ねぇ優莉、空き時間になったら一緒に回らない?」

私はニッコリしながら優莉を誘う。

「いいけど……目的の部でもあるの?」

「取り敢えず、生徒会の先輩方の部は回ろうと思ってるけど」

「そうね……サッカー、弓道、バスケに演劇部だっけ?全部見れるかしら」

優莉と一緒に案内図が載ったビラを見ながらどの順番に回ろうか相談する。

結果、演劇部→弓道→サッカー→バスケの順に見て回る事にした。まぁ順番に意味はなく何となく決めたのだけど。

正門では圧倒されたけど、やっぱり部活祭にはワクワクしてるし今日は楽しもう。

茶道部の打ち合わせも終わり、早速空き時間がやってきた。優莉と賑やかな校内を軽く見ながら演劇部を探す。

「あっ森野先輩だ」

廊下でやる気の無さそうに受付に座っている森野先輩を発見し、こんにちは〜と言いながら駆け寄る。

「いらっしゃい。今、誰も居ないしゆっくりしていって」

確かに教室の中を除いても誰も居ない。おまけに森野先輩以外の部員も居ない。教室内はシーンとした空間が広がっている。
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