いつか咲う恋になれ
「おーい、真尋いるか?」

生徒会室のドアが開くと、そこには三年生の男子生徒が数人いて、真尋先輩を呼んでいる。

「何?今、会議中なんだけど」

真尋先輩が尋ねると、みんなはドアに注目する。真尋先輩の知り合いの方達はニヤニヤしながら廊下の見えないところで、誰かを手招きしているみたい。

「ジャーン。真尋の彼女を連れてきてやったぞ」

そこに現れたのは、小顔で目がパッチリとしていてふんわりと長い髪がよく似合う美少女だった。

でも、うちの学校と制服が違う。あの制服は……確かここの近くにある女子校の制服だ。

「あっ……ごめんね、真尋君。門のところで待ってたんだけど……」

真尋君?確かに彼女はそう呼んでいた。……何かモヤモヤする。彼女は一体何者なの?

「じゃあな真尋。こんな美人の彼女を待たせるんじゃねぇぞ」

彼女を案内した真尋先輩の知り合いというか友達は、彼女を残して帰っていった。

「悪い、先に帰るわ」

「あぁ……そうしてやれ。先生に他校生を連れ込んだの見つからないようにな」

真尋先輩は鞄を持ち、私の横をスッと素通りして彼女の元へ行く。そしてそのまま彼女と二人で帰っていった。

真尋先輩の彼女?……じゃあ私との『恋愛ごっこ』はもう終わりって事?
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