いつか咲う恋になれ
「へぇ真尋先輩、彼女いたんすね」

真尋先輩が帰った後、生徒会室内は二人の話題になった。小谷先輩がドアの方を見ながら興味を示す。

「いや、多分あの人は元カノだったはず。でも何度か付き合っては別れて…を繰り返してるからまた付き合い始めるんじゃないか」

宮原先輩はニヤッとしながら話をする。

「あんな美人と別れたりヨリを戻せたり、真尋先輩凄いっすね」

宮原先輩と小谷先輩の聞いていると、何だか急に気分が悪くなってきた。一瞬目の前が真っ暗になり、足元がふらついて思わずその場に座り込む。

「大丈夫?」

近くにいる優莉が座り込んだ私の顔を心配そうに覗き込んできた。

「うん、ごめん。大丈夫……だけどちょっと熱が上がってきたかも」

あははって笑って答えたけど……本当は最悪な気分だ。

「今日はもう帰った方がいいよ。送ろうか?」

優莉と話していると、先輩方も心配そうに私に駆け寄ってきた。

「この調子じゃ多分歩くのもしんどいはずだから、車を出せる先生を呼んできます」

森野先輩はそう言ってパッと生徒会内を出て行く。私、みんなに迷惑かけてるな…

「紗倉ちゃん大丈夫?」

座り込んでいる私の前にしゃがみ込み、目線を合わせて小谷先輩が心配そうに声をかけてくれた。

「本当に大丈夫ですから。迷惑をかけてしまってすみません」

「こんな時に気を使わないの。全然迷惑じゃないから、ね」

私の前でニッコリと笑う小谷先輩。その笑顔に少し癒された。
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