いつか咲う恋になれ
「……真尋先輩、おはようございます」

起こしてしまったみたいで穂花ちゃんの目がパチっと開き、俺の方を見てニコッと微笑む。

「おはよう。気分はどう?」

「すっかり良くなりました」

穂花ちゃんの笑顔につられて俺の顔も緩んだ。

「あの……そばに居てくれてありがとうございました」

照れているのか穂花ちゃんの頬が少し赤くなっている。

「元気になって良かった。でも今日は一日家でゆっくりしてないとダメだからね」

「はい」

「じゃあ俺は帰るけど、何かあったらすぐに電話して」

そう言って立ち上がる。穂花ちゃんも起き上がり、ベッドから降りようとする。

「先輩、今度何かお礼させて下さい」

「気にしなくていいのに……じゃあ考えとく」

荷物を持ち帰る準備をして玄関まで行く。大丈夫だよって言ったけど穂花ちゃんも玄関まで見送りに来た。

「じゃあね」

穂花ちゃんの頭をポンとして玄関を出た。

今日も良い天気だ。朝の日差しが心地良い。

それにしても、このよく分からない感情の答えはまだ見つからない。時間が経てば分かるものなのか?

そんな事を考えながら、自転車に乗り家に向かって全力で漕いだ。
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